カビについて
カビは一定湿度と温度によってタンパク質やデンプン等を養分として繁殖します。特に、クリーニング後にポリ袋などに入れたまま保管したり、通気性の悪いクローゼットで保管していると、湿気が停滞する状態になり、梅雨時期など結露することがあります。
そしてカビの繁殖を促すことになります。いろいろな色のカビがあり、一見すると黄色や青のシミのように見える場合があります。
染料を分解し、変色させるカビもあります。大切な衣類は定期的な虫干しなどの風乾をしましょう。この事故の特徴は、保管中に折り畳まれていた折り目に沿って、ガスのふれやすい部分にだけ変色が起きていることで、全体を広げた時に、帯状に変色が起きていれば、ストーブや湯沸かし機などによる酸化窒素ガスや亜硫酸ガスが原因と考えられます。また、コートやジャケットなどクローゼットに吊るして収納するものは、ドア側の肩口かあら袖にかけての外側が帯状に変退色します。
素材としては、アセテート、ナイロン、綿、麻などの淡色系の繊維製品で、ガスとともに湿気もその原因となるので、収納中の湿度管理や虫干しなどを行う必要があります。
ポリエステル、ナイロンなどの低融点の素材に発生しやすいのがタバコなどの熱による損傷です。
本人がタバコを吸わなくともすれ違いざまに、歩きタバコの影響を受けることがあります。また、灰が落ちた倍でも、穴開きなどの損傷が起きることがあります。汗や日光による退色は、植物系の繊維製品に起こりがちです。これは、染料が汗の影響を受けやすいことによります。汗のつきやすい衿回りや肩、背中、脇などを注意する必要があります。また、色の種類によっても、紫、青、赤、緑、黄の順に変退色しやすく、濃い色ほど変退色の差が際立ちます。
クリーニングに出す前は、くすんでいるため見落としがちですが、クリーニングによって、変退色した部分が目立つようになってしまいます。
白い衣類のほとんどは、蛍光増白剤というある種の染料で染められています。この蛍光増白剤は、長時間紫外線にさらされると黄色味をおびてくるという性質があります。また、繊維本来の性質として紫外線によって、黄ばんでしまうという性質もあります。このことは、白い紙が時を経ると黄色くなってしまうのと同じです。特に絹製品は紫外線の影響を受けやすく、黄ばみやすい性質があるのです。紫外線の影響を受けにくい衿裏と比較してみましょう。